厳しくも爽快きわまるヨットレースという趣味。 チームの仲間たちと過ごす豊かな時間 ―。

 一定期間のレースのたびにヨットを作り、名だたるセーラーと契約して海外レースを転戦する。時間も資金もかかる趣味であるこというまでもない。植松さんの愛艇エスメラルダ号は現在のもので24杯目。

 勝つために必要なのは、資金力とチーム力だという。

「勝利を目指してチームで頑張っていく過程の面白さもあります。ハイエンドのクルーは勝てると思うヨットにしか乗らないし、プライドも高い。

 チームを編成して初期の頃はそれぞれ自分がいかにすごいかをアピールしているのですが、レースを重ねてお互い気心が知れてくると、我がチームの話しかしなくなる。

“あのレースはこうだった”とか“ハワイで食べたあの飯、うまかったな”と。チームが一つにまとまって、その先に勝利を得た時の喜びは格別です」

後編へ続く

 

COLUMN01 ヨットの種類
- 新しいタイプも登場 -

 ヨットの種類を説明するには、様々な方法がある。わかりやすいのは、大型艇と小型艇という分け方。

 大型艇はクルーザー、小型艇はディンギーと言い換えてもよし。オリンピックなどで使われるのはディンギーであり、1人乗りか2人乗り。

 レースをせずに気ままにデイセーリングを楽しむことも一般的。クルーザーにはキャビンが装備され、簡易な寝室やトイレもついており、オーバーナイトセーリングも可能。乗員数もディンギーよりは多いのが普通。艇の大小は問わず、船型で分類する方法もある。

 ごく一般的な船型はモノハル(単胴)艇。現在のアメリカズカップに採用されているのはカタマラン(双胴)艇。トリマラン(三胴)艇なんてものもある。

 最近ではフォイリング艇と呼ばれる水中翼を装備したヨットまで出てきており、船体が水面から浮きながら帆走する。船の大小や船型の違いなどを超越した新しいタイプのヨットの登場である。

文=牧野容子写真=湯浅亨(人物)、平井淳一(ヨット)