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4人家族が普通のアパートに住むために
年収2000万円が必要!?
――深刻化するシリコンバレーの住宅事情

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第434回】 2017年7月25日
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対策を打ち出す
グーグルとフェイスブック

 そうした中、フェイスブックやグーグルが、社員のための住宅を建設する計画が明らかにされている。住宅や交通問題をいくらか緩和するのに貢献すると期待されるものの、評価は分かれている。

 グーグルは、3000万ドルを投入して、シリコンバレーに住む社員300人のためにプレハブ住居を提供するという。プレハブのため建設費が安く、家賃も手頃になる見通しだ。

 一方フェイスブックは、先ごろ大掛かりな街づくりの計画を発表した。本社に隣接する広大な土地に1500戸の住居を建設し、それ以外にも小売店、スーパーマーケットなど、生活に必要な機能も盛り込まれる。地元のコミュニティーにも開かれた企業村となるようだ。

 また、住居のうち15%は市場標準より低い適正価格で貸し出され、社員以外の人々に提供されると予想されている。普通に捉えると、店員や清掃など地元サービス業に従事する人々がその対象となるだろう。

 そもそもテクノロジー企業は、住宅費高騰や住宅難問題を引き起こした元凶として非難されることが多い。こうした計画を発表することは、少しでも問題を緩和する役割を果たすだけでなく、好印象も与えるだろう。

 住宅問題の原因としては、地元の建設制限の厳しさも指摘されており、テクノロジー企業だけが原因ではないものの、これだけの急速な人口増を引き起こしているのは、テクノロジー経済に他ならない。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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