企業人の学習アプリケーションから
人財(ヒューマン・キャピタル)管理へ

コーナーストーン・オンデマンドのアダム・ミラーCEO Photo by Noriko Takiguchi

 企業が利用するITは、今やかなり多岐にわたっている。製造プロセス管理、サプライ・チェーン管理、顧客関係管理、経理管理など数え上げればきりがない。そうした中で、ITが関わる新たな分野として注目されるのが社員の人事、研修、パフォーマンス評価、採用など人の能力やスキル管理に関わるものである。

 そうしたITを開発する1社にコーナーストーン・オンデマンドがある。

 コーナーストーンは1999年に創設された会社で、本社はカリフォルニア州サンタモニカ。当初は、企業の研修や成人向けの教育ソフトウェアをSaaSモデルで開発する会社として登場した。その後アプリケーションを拡充して、現在は「人財(ヒューマン・キャピタル)」を総合的に管理する製品群を提供している。

 人財管理とは、単なる人事管理や給料管理ではないところがミソだ。教育や研修を通じて社員がキャリアを前進させ、仕事に熱意を持ち、パフォーマンスを上げ、ひいては企業の売り上げにつなげる。あるいは、そもそも自社に合った人材を探し出す。そうした仕組みが互いに結びついており、人材は企業の資産であるというところに目をつけたのが、コーナーストーンのソリューションの特徴と言える。大げさに言えば、ITの力を借りて「働きがい」を確保することを模索しているのだ。

 同社は去る6月初頭にサンディエゴで顧客向けの年次コンファレンス『Cornerstone Convergence 17』を開催、世界中から2000人が集まり、製品のアップデートや顧客ユーザーの知識共有などが行われた。同社の顧客企業数は3000社、ユーザー数は3100万人を超え、現在191カ国43言語で利用されている。