前回(7月20日付け)のコラムで説明したように、8月1日にビットコインが分裂する可能性があったが、「Segwit」を実装し、さらに6ヵ月後に、ブロックのサイズを拡大する提案への賛成が増え、当面の分裂は回避された。 処理能力を上げるやり方として、それぞれ主張されていた、取引データの電子署名部分を別枠扱いにし、ブロックの情報を圧縮する案(「Segwit」の採用)と、ブロックサイズを拡大する案を、いわば折衷したものだ。
しかし、これから数ヵ月間で、いくつかの問題が発生すると予想される。
「BIP91」の提案支持で
ビットコインの分岐を回避
これまで、ビットコインの分裂を回避するため、「Segwit2x」という提案がなされていた。前回のコラム執筆の時点では、プログラムが準備できていなかったのだが、それが間に合った。
この「BIP91」(BIP:Bitcoin Inprovement Plan、ビットコイン改善計画)に賛成するマイナー(ビットコインの採掘者)のシグナルの発信が、7月19日未明から始まり、21日9時にその導入が決まった(「BIP91」がロックインされた)。
そして、23日に、正式にアクティベートされた(有効化された)。
これにより、今後、「Segwit」を支持するシグナルを発していないブロックは、ノード(参加者)に拒否される。
この結果、8月1日に発動を予定されていた「UASF」(ユーザーによるソフトフォーク)は、意図していたことが実現されるので、発動されない。それは回避された。