ビジネス書の世界的ベストセラー『ザ・ゴール』の著者、エリヤフ・ゴールドラット博士が開発した「3つの思考ツール」で、子どもの考える力を効果的に伸ばせます。飛田基氏の新刊『考える力の育て方』の中から、今回は「SNS依存との上手な付き合い方」をご紹介します。
登場するのは、成績不振の中学生ユウキです。「バカ脱出」という目標を達成するために、「期限を守って宿題ができる」という中間目標を設定しました。しかし、どう行動すればきちんと宿題ができるようになるのか、ユウキには思いつかなかったのです。

「SNS依存」との
上手な付き合い方

 中間目標を決めても、それを達成できる行動が思いつかないことがあります。そんなときは、そもそもなぜ障害が起きているのかを、もう少し掘り下げて調べてみるとよいでしょう。ここでは、第3回で紹介した「ブランチ」という思考ツールを使います。

 まずは図表1をご覧ください。

 ユウキはクラスメートと、「LINEグループ」という多人数のチャットシステムでメッセージのやり取りをしていました。多くのクラスメートがそのグループに入っているので、宿題に取りかかる夜の時間帯はそのうちの誰かしらがログインしている可能性が高いのです。

 宿題を始めたユウキのスマホに、LINEグループのメッセージが来ます。すると、ユウキはそれに反応してメッセージを返します。また、他のメンバーのやり取りも目に入ってきて、思わず読んでしまいます。

 そうこうしているうちに、自分が書いたメッセージに返信が来たりします。そうやって時間が過ぎてしまい、なかなか宿題に戻れません。

 それがユウキの行動パターンでした。