睡眠時間が2時間足りないだけで
自動車事故のリスクが2倍に

本連載の著者・中村先生の新刊『仕事が冴える「眠活法」』

「たかが睡眠不足によるミスなんて」とあなどっては危険です。それは、過去に居眠りが原因で深刻な事故が起こっていることからもわかります。

 1979年に起きたスリーマイル島原子力発電所事故、1986年のスペースシャトルチャレンジャー号の爆発事故、同年のチェルノブイリ原子力発電所事故、1989年の石油タンカーバルディーズ号の座礁事故など、世界的にもよく知られた大きな事故が「睡眠不足による居眠りが原因の1つだった」と指摘されています。

 日本でも、2003年に新幹線の運転手が31キロメートルもの距離を居眠り運転していた、山陽新幹線居眠り運転事故があります。このケースでは、後日、運転手が睡眠時無呼吸症候群だったことが発表され、世間の注目を集めました。

 大事故だけでなく、1日平均1500件以上も起こっている交通事故でも、居眠りが大きな原因の1つになっています。交通事故全体のうち25%は居眠りが原因とされているのです。

 2016年の12月には、アメリカの高速道路交通安全局(NHTSA)が、推奨される睡眠時間(7時間)よりたった2時間少ないだけの睡眠時間で自動車事故のリスクが2倍になるという、驚くような調査報告を発表しました。

 また、全米自動車協会(AAA)の交通安全財団は、2005~07年に起こった交通事故のうち、午前6時から午前0時までに発生した4571件の交通事故について、ドライバーが事故前の24時間のうちにどれだけ睡眠を取っていたかというデータを分析しています。

 すると、4~5時間しか眠っていない場合の事故発生率は7時間以上の睡眠と比べて、4.3倍、4時間未満だと11.5倍にまで跳ね上がっていました。

 ちなみに、5~6時間睡眠だと1.9倍、6~7時間睡眠では1.3倍ですから、睡眠時間が短くなるほど事故発生率が上がっていることがわかります。