この回答を出せる政治勢力が、戦後三回目の政界再編のイニシアチブを握るのではないか、というのが私見である。

 それは左は共産党から、右は自民党のリベラル勢力までの射程を持つ。

 その政策軸が、今後、民進党にさらなるミシン目を入れ、自民党内の安倍vs宏池会の路線闘争を呼び、都民ファーストの国政版なる新勢力「日本ファーストの会」にも新たな使命を与え、いくつかの国政選挙を経てガラガラポンにより、政界再編を進めていくのではないかと考える。

改造劇の裏で野田聖子氏の取り合い
反自公政権束ねる人材の不足

 今起きていることは、これから始まる戦後三度目の政界再編劇の一コマである。

 そういう視点から、今回の安倍改造劇を見ると、いくつかの興味深いことがある。

 一つは、野田聖子氏の入閣だ。

 野田氏といえば、昨年9月の自民党総裁選でただ一人安倍一強に歯向かって、党内論争を仕掛けようとした人物だ。結果的に推薦人20人を集めることができずに立候補は断念したが、その挑戦は彼女をポスト安倍の有力候補に押し上げた。

 その野田氏に注目していたのが、戦後2度目の政界再編の主役の一人、細川護熙氏である。

 細川氏は、日本新党の創始者であり、その起ち上げに際し小池百合子氏をリクルートした人物。小池氏が「都民ファースト」を作った時も、いろいろと相談に乗ってきた。その細川氏がこう語っていた。

「小池さんに秘策を与えるとすれば、一番いいのは新しい『国政新党』の党首として、野田聖子さんを担ぐこと。これをやったら大勝します。昨年の自民総裁選の時も野田さんはよく頑張った。党内で男どもがだらしなく誰も出ない時、義侠心で出ようとしたのはなかなかのもの。政策など、言っていることも筋が通っている。野田さん、小池さんの仲はとてもいいし、小池さんもその選択をすれば株が上がります。私は、野田聖子さんは乗ってくると思う」

 いずれ、細川氏が野田氏に打診した上で、小池氏に対しアドバイスする予定だった、という。

 細川氏によると、確かに今の状況はあの日本新党誕生時と似ているが、問題は政界再編で反自公連立政権を束ねる人材が欠落していることだ。かつて、自民党から武村正義氏(新党さきがけ)や小沢一郎氏(新生党)が出てきた。

 やはり、本格的再編には保守陣営からの人材が必要だ。そういう観点からすれば、野田氏が格好の人材の一人と映ったのだろう。

 安倍氏がこの動きを知ってか知らなかったのか。今回の人事は両陣営による野田氏の取り合い、という側面もあった、といえよう。