脳の中身をサーバーにアップしてデジタル不老不死が完成!?実現のために必要な300億円は高いか安いか?写真はイメージです Photo:PIXTA

人類の夢である不老不死は実現できるのか。神経科学の分野ではいま、「意識を機械にアップロード」し、意識の死から逃れられないかという研究が進められている。その最前線に立つ神経科学者・渡辺正峰(東京大学大学院准教授)は、デジタル不老不死は20年後に到来すると見据える。タナトフォビア(死恐怖症)を抱える筆者との対談で見えた、実現までの道のりとは?※本稿は、日本タナトフォビア協会代表の浦出美緒『死ぬのが怖くてたまらない。だから、その正体が知りたかった。』(SBクリエイティブ)の一部を抜粋・編集したものです。

コンピューターに意識を移せば
死から逃れることができる?

──「では、早速質問を。渡辺さんにとって、死とは何ですか?」

渡辺正峰(以下、渡辺):どうでしょうね。私の専門は神経科学ですけど、神経科学的に死は特に定義されてないと思います。一般的な医学の定義から何か特別なことを言っていることもないでしょう。

 ただ、私の専門分野から「死とは何か」について話すとしたら――例えば、もし人間の意識が途切れずに別のかたちで続くことができれば、それは死とはいえないのではないか、という見方もできます。つまり、「意識のアップロード」――自分の意識をコンピューターなどに移して連続性を保てるなら、それは死ではないと考えることもできる。

──意識の連続性を保てるならそれは死ではない、という言葉に、私の鼓動は速くなる。もし、私の意識を保てる方法があるなら、それは死にたくない、意識を消失したくない私にとっては救世主だ。

「私は、私という存在、特に私の意識が消えてしまうことが気になっています。意識の死とは、どういうことでしょうか?」

渡辺:なるほどね。そうか。そういうことか。ちょっと待ってね。