「源流の森は、少しずつではありますが整備が進んでいます。2012年に、山梨県では森林環境税が導入され、これまで所有者負担が約3割必要だった間伐を、100%補助金で整備できるようになりました。もう一つ、『企業の森』が増えたのも明るいニュースです。多摩川の源流ということで関心を持ち、応援してくれる企業がありまして、協働の森づくりが進展しています。
 最初は、植林からスタートした活動も今では、間伐材の活用、獣害対策、森林作業道づくりなど、林業が抱える根本的な問題に理解を示してくださり、支援がいただけるようになりました」(中田さん)

来たれ!
源流男子&源流女子

 ただ、難しい問題もある。

 例えば、荒れた民有林について。中田さんたちは、補助金を使って手入れを代行する事業を行っているが、地主の承諾が得られなければ森には入れない。それでも小菅村の場合、親戚が村内にいて、行先を教えてくれるので連絡がつかなくなるケースはさほど増えていないが、近隣の上野原市では、親戚も知らない、集落の人もわからないうちに空き家となってしまったケースが目につくようになってきたという。その場合、行政でも追跡できないケースがほとんどで、問題はより深刻だ。

 多摩川下流の住民に直結する問題としては、シカの食害で砂漠化した山の土砂流失問題がある。