住宅ローン金利が高い人の対処法

 では、もしBさんの住宅ローンが固定で3.5%以上など高めの金利だったらどうしたらいいのでしょうか。

 私なら変動金利に乗り換えます。変動金利はだいたい1.6~1.8%くらいでしょうか。そして、やっぱり300万円は繰り上げ返済には充てず、ゼロ・クーポン債に投資します。

「変動金利にしたら金利が上がったときに困るじゃないか」

 そういう考えもあると思います。でも、私はこの先、80年代のバブル時代のような好景気に戻るようなことのない限り、短期の変動金利を上げることなどできないと考えています。

 金利には短期金利と長期金利とがあります。短期金利は日銀がコントロールする金利で、市中に出回る貨幣の量を調整することで低く抑えたり上げたりするものです。

 一方、長期金利は市場が決める金利で、市場参加者が国債を売買するときにいくらで取引が成立するかによって決まってくるものです。

 日銀は短期金利をもうずっとゼロ金利に抑えています。それは銀行などにたくさんお金を借りてもらって、そのお金が経済を回して日本の景気がよくなればいいと思ってのことです。しかし実際はお金は回らず銀行は日本国債をしこたま買っています。

 そんな中で、もし短期金利を上げたらどうなるでしょう。

 日本国債も低金利ですが、短期金利よりはマシなのでよかったのです。それが、日本国債の金利よりも短期金利が上がってしまえば、金融機関の決算は惨憺たるものになり、息の根が止まるところも出てきます。これは景気をさらに悪化させることに繋がります。

 経済が低迷している中で日銀が短期金利を上げることは考えづらく、たとえ日本国債の価格が暴落して長期金利が暴騰しようが、円安になろうが、そんなことができるとは思えません。

 銀行などの金融機関が国債をしこたま抱えているのも、実は日銀の金利抑制策が長期になることを見越しているからなのではないでしょうか。