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ディズニー対ネットフリックス
ビデオ配信市場で勝つのはどちらだ

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第436回】 2017年8月17日
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 ディズニーは数々の映画やテレビのヒット作を抱えており、それらが撤退するのはネットフリックスにとっても痛手だ。またディズニー傘下には、ピクサー、ルーカス・フィルム、マーヴェルなどが含まれる。これらのスタジオで制作された作品を含めると、「アナと雪の女王」「トイ・ストーリー」「ファインディング・ニモ」「スター・ウォーズ」「X-Men」「スパイダーマン」など、数え切れないほどのメガヒット級映画やシリーズがある。

 ディズニーのネットフリックスへの新作提供は2018年末で終了し、ディズニーの新ストリーミングビデオサービスは2019年にスタート。そして、2019年末までには、従来作品の提供も打ち切られる予定だ。ディズニーは、映画やテレビのストリーミングとは別に、スポーツ局のESPNも2018年初頭にストリーミングチャネルとして主要なスポーツ中継を年間1万本提供する計画だ。そのために、ストリーミング技術開発のBAMTechの持株率を大幅に増やしている。

他にもライバルがひしめく

 興味深いのは、今回のディズニーの発表後、ネットフリックス、ディズニー両方の株価が下落したことである。下落率はそれぞれ3%、4.6%。ネットフリックスについては、ディズニー作品を失うことへの危惧があり、他方ディズニーについては、遅れて進出するストリーミング市場での成功を危ぶむ見方だろう。

 ネットフリックスは現在、世界に1億人以上の契約者を抱えているが、ブロードバンドが浸透していない発展途上国への進出では大きな壁に直面し、ユーザー増加は間もなく頭打ちになるのではとも見られている。また、前出のコムスコアの調査によると、市場シェアは極小であるものの契約者が長時間を過ごすスリングといったサービスのユニークさも指摘されている。

 さらに大きなニュースは、先ごろフェイスブックが独自のビデオストリーミングのプラットフォーム「フェイスブック・ウォッチ」を発表したことである。約20億人のユーザーを抱えるフェイスブックには、コンテンツクリエーターも群がることが予想される。

 ストリーミングビデオサービスは、まだまだ新参者進出と勝者争いが続く市場で、今後の動きには興味が尽きない。
 

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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