一つ考えられることは、自販機で本気で儲けようと思っていないのではないかということである。自販機はユニクロの文字が全面に強調された作りになっており人目を惹く。そして自販機のなかには商品が整然とカラーリングされて並んでいる。

 ユニクロは米国では知名度がまだ低く、自販機の商品で「こんなカラーの商品を売っているのか」などと関心を引き、「今度試してみるか」と購買の動機付けになる可能性もあるからだ。

 ユニクロの米国の店舗数は前期(2016年8月期)末で45店にとどまっている。米国が本拠とはいえ、米GAP(ギャップ)の米国内の店舗数の10分の1以下、またフォーエバー21に対しも10分の1以下となっている。

米国に進出する
日系流通は相次いで失敗

 米国にユニクロが進出したのが2006年。すでに10年以上が経過した。にもかかわらず、米国事業は赤字続きである。16年8月期では店舗の減損損失57億円を計上、5店の閉鎖に伴う除却損など計74億円を計上したことから、営業赤字が拡大した。

 10年も赤字が続けば、展開の存続すら危ぶまれ、「撤退」の2文字が浮かんできそうなものだが、やはりグローバルプレイヤーを目指す道のりのなかでは、消費大国米国では是が非でも成功させたいところだろう。

 そこで、考えられたマーケティング戦略が、さほどコストのかからない自販機という"宣伝塔"を全米の主要地点に設置してユニクロの知名度を高めるというものであろう。ただ、米国は日本のように自販機大国ではなく、設置場所も今後は限定されていくと見られている。