Photo by Takahisa Suzuki

RIZAP(ライザップ)グループは「ユニクロ」に迫れるか――。テレビコマーシャルで次々に肉体改造したゲスト(体験者)を登場させ、痩身美容分野では今や飛ぶ鳥を落とす勢いのライザップ。パーソナルトレーニングジムという新たなメソッドで急成長しており、売上高、利益は倍々ゲームだ。そのライザップが次に狙うのは強力なブランド力を武器したSPA(製造小売業)事業。相次いでジーンズ専門店や和装商社を傘下に入れ、基盤づくりを急ぐ。SPA大手のユニクロを脅かす日は来るのか。(流通ジャーナリスト 森山真二)

アパレルや流通業を
相次いで買収

 今年5月下旬以降、株式市場はちょっとした“ライザップ祭り”の様相を呈した。ライザップが、ヤマノホールディングス傘下だった和装品中心の繊維商社堀田丸正を子会社化すると発表して以来火がつき、相次いでライザップグループの銘柄が高騰した。

 傘下のジーンズメイトなど流通業の業績改善なども追い風となって、連日高値が続く状態だった。

「ライザップがSPA?なぜ?」と思う向きも多いとみられるが、ライザップは至って本気のようだ。

 ライザップはアパレルや流通業などを相次いで買収している。ファッション衣料通販の「夢展望」、補正下着の「マルコ」、カジュアル衣料専門店の「ジーンズメイト」、そして「堀田丸正」などを矢継ぎ早に買収した。上場、非上場合わせてアパレルや流通業者など実に7社目となる。しかも、ほとんどが業績不振の企業ばかり。債務超過の企業もあったほどだ。

 例えばジーンズメイトは、創業50年の老舗カジュアル衣料専門店。2000年3月期には売上高が約250億円あったが、17年2月期は93億円まで減少。ピーク時の半分以下という苦境である。