ラーメンや天津飯、中華丼、冷やし中華、焼き餃子などは日本で独自に発展した中華料理であり、「日式中華」と呼ばれる。これら日式中華のうち、豚骨ラーメンは中国でも大人気だが、焼き餃子については過去に「餃子の王将」「大阪王将」が進出して撤退するなど、苦戦しており、微妙なポジショニングといえよう。果たして、日式餃子は本場中国で成功するのか、日式中華が中国でウケるにはどうしたらいいのか、検証してみた。(ゼロイチ・フード・ラボCEO 藤岡久士)
過去「王将」は
中国(大陸)で失敗している
中華の本場で日式(日本式)の中華が通用しない。「そんなの当たり前だろう」という声が聞こえてきそうな話だが、一見無謀のように感じるこのチャレンジを行なった企業がある。皆さんよくご存じの「王将」だ。
「餃子の王将(王将フードサービス)」が大連に進出したのが2005年。最大6店舗まで店舗を増やしたが、2014年に撤退した。
また「大阪王将(イートアンド)」が上海に1号店を出店したのは、尖閣問題が発覚し各地で反日デモが巻き起こっていた2012年末。2店舗を展開するも2014年に撤退(※「大阪王将」はその後、2016年香港から広州へ再進出を果たしている)。
撤退の原因については「コンセプトの問題」「オペレーションの問題」「出店エリアと価格設定の問題」等、ネット上では多くの「王将」ファンが憶測を元にさまざまな評論をしている。
筆者も、自らが「大阪王将」の上海進出を現地法人の代表として執行していたこともあり、王将撤退に関しては、独自の見解を持っている。