「不登校=悪」ではない
学校以外のコミュニティーがある

 そんな小幡は、小学4年から「適応指導教室」に通う。似た者同士が集う新しいコミュニティーは、彼にとって安心できる場所だった。また、定時制の高校に進学した際も違和感なく溶け込めたという。

 コミュニティーを変えれば、自分の居場所は見つかると、小幡は強く訴える。「まずは、共通の『好き』を持つ同志が集まる場所を探すことです。それはゲームでもスポーツでも何でもいいんですよ。学校が全てじゃない。学校以外の自分に合ったコミュニティーは絶対にあると思う」。

 当然、一般教養や集団生活を学ぶ上で、学校は必要な存在であるし、義務教育として法律でも定められている。ただ小幡は「学校に行かないという選択肢もある」「“不登校=悪”というマジョリティーを変えたい」と考えているのだ。

 高校2年の時、ある人物との出会いをきっかけに、小幡は大きく変わった。NHKの見学会に行った際に、違う学校の1つ年上の人と知り合ったのだ。その人は学校で生徒会に入り、部活やバイトをやりながらバンド活動もしていた。「今まで自分が歩んでいた生活とは全く違う環境で、単純にすごいと思いました」。

 そこからバンド活動のスタッフに誘ってもらうことになり、いろいろな人と出会った。そして、イベントや企画を作り上げる楽しさ、充実感を味わったという。

 これをきっかけに「何かしたい」と思うようになった。そんな思いを胸にしていた高校3年の時、小幡は地域を盛り上げようとするNPOの集まりに参加し、地域振興に興味を持つ。「若者の力で地域を発展させたいという思いが膨らみました」。そうして企画したのが、和歌山県内各所から高校生を集め、各エリアの魅力を付箋に書いて貼ってもらうワークショップ、「魅力地図」だった。

 これに対し、役所から10万円の予算がついたことが、「本気でやるなら今だ」と小幡の背中を押した。翌2013年の2月に会社を興し、元不登校児の高校生社長が誕生した。