前回から、私のゼミ生の話を紹介しています。前回と同じAさん、Bさん、Cさんの3人に話を伺います。改めて簡単な経歴とMBAに入った動機をお伝えします。
Aさんは販売の間接業務という同じ仕事を20年続け、このままもう20年続けることに疑問を持ちました。外の世界を知り、経営層にも自信を持って対峙できるだけの知識が欲しかったというのがMBAに入った動機でした。
またBさんは32歳のエンジニアですが、一度ならず転職を複数回経験しました。その度に、人事評価のいい加減さが気になり、自らが部下を評価する立場になる前に、他人を評価する軸を自分の中で明確にしたかったというのがMBAを志す動機でした。
そしてCさんは女性で40代後半の外資系メーカーの営業部長。他人にいい影響を与え、導くこと。そして、自分の価値を高めるためにMBAを目指しました。
では実際にMBAに入って、そこで学び、彼らのそうした目的は達成されようとしているのでしょうか。話を続けたいと思います。
自立的で成長できる
組織にしたい
Aさんは「大学院進学の動機としては自分探しのような漠然とした気持ちも確かにありました。しかし一方で、能動的に動けない指示待ち人間が多い職場なので、そうした組織の活性化が何とかできないかというテーマも持っていました」と言います。
Aさんは「第一に、自分を変えたい。自信を持って経営層とも向き合えるだけの知識が欲しい」と言っていましたが、突き詰めて話を聞いていくと、変えるべきは自分自身だけでなく、組織にもいい影響を及ぼしたいという気持ちがありました。さらにそれがMBAで学ぶうちに強化されていったようです。