未訳の最新ビジネス洋書のエッセンスが詰まった書評レポートを、PDFファイルで閲覧・ダウンロード提供する本連載。今回取り上げるのは、『優秀な頭脳をめぐる争い』です。(書評レポート提供/エグゼクティブブックサマリー)
グローバル化する大学の
生き残り戦略とは?
先進国では現在、少子高齢化の影響により、高等教育機関でも深刻な学生不足という事態を招いています。日本でも、全大学の受け入れ人数に対して定員割れという状況が現在加速しつつあります。つまり、入学する学生が存在しなければ、授業料等の利益を創出することが出来ず、学校経営そのものにも大きな影響を与えています。
こうした現状を踏まえ、高等教育機関では大きな生き残りのための対策が取られ始めています。
その対策の一つが、現在のグローバル化に伴う海外の各教育機関との提携や留学生の受け入れ等の事業による教育コラボレーションとも言える体制の強化です。
各国の大学にはそれぞれが固有の特色があり、当然その国の文化や環境を大きく反映しています。自国の中での定員の確保が激化している中で、他の教育機関との差別化を図りながら入学希望者を増やしていかねばならないのは、日本のみならず、先進国において、また、開発途上国においても大切な事です。
では、具体的に、「グローバルな高等教育」ではどのような事がなされているのでしょうか。さらに、そこからどのようにして優秀な人材を排出する仕組みを構築しているのでしょうか。
本書「優秀な頭脳をめぐる争い」では、そうした大学のグローバル化について、各大学が行っている様々な施策について事例を基に紹介されています。
著者のベン・ウィルダヴスキーは、米国でも非常に有名な高等教育部門のスペシャリストであり、USニューズ&ワールド・レポートの教育編集者を経て、その熟練した経験を買われ、ビジネスと教育の専門分野で数多く執筆を行ってきました。特にワシントン・ポスト、ウォールストリート・ジャーナルの執筆では、大変高い支持を得てきました。
「教育は誰にでも恩恵を与えることができる。よって、大学は入学する際の壁を出来る限り低くしなければならない」と主張する同氏は、世界経済や人類の発展へと大きな影響を与える、非常に重要なものだと述べています。そういう意味で、教育に関わる人だけでなく、沢山の人々に是非ご一読頂きたい一冊です。
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