25年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内『大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は他の大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である『大学図鑑!2026』の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする。(本記事は2025年1月時点に執筆した『大学図鑑!2026』をもとにしています)

大学生Photo: Adobe Stock

 明大には、文系7学部と理系3学部がある。マンモス校でありながら少人数でのゼミ形式の授業を増やし、コミュニケーションスキルを高めることに重きを置いている。

 1コマ100分を基本とする時間割や2学期4ターム制を全学に導入。100分の授業時間は50分ごとのモジュールという時間単位に区分することで、アクティブ・ラーニングなど学生が主体的に学びやすい環境になり、4ターム制は海外留学に挑戦しやすくなることが狙い。大企業と連携したPBL(問題解決型学習)授業も展開している。

法学部

 法律学科のみ。もともと明大が明治法律学校としてスタートしたことから、いちおう「伝統の法」と呼ばれているが、「勉強が大変なので『地獄の法』とも呼ばれている」(法学部生)とか。

 他の学部生からは一目置かれているものの、単位を落とすのは日常茶飯事で、気の毒がられている。「でも、それだけの価値はある。就職率もいい」(法学部生)という人も。

 1年次からゼミは必修。1年次の10月に法曹、公共法務、ビジネスロー、国際関係法、法と情報の5コース選択をし、2年次から各コースに分かれて専門的に学ぶ。学生の勉強意欲や目的なども汲みつつ、定員には融通を利かせているようで、ほぼ希望通りに入れる。

 3年次に法曹コース以外のコースへの変更も可能。早稲田を落ちてきた、まじめタイプが主流。法学部生の3~4割が、国家公務員試験、法科大学院進学などをめざす。

商学部

 商学科のみ。「看板の商」と呼ばれている理由は諸説あり、ひとつには日本の私大の中で、最も古い(1904年設置)商科であることが挙げられる。他学部と比べて卒業要件単位数が多いため、「監獄の商」ともあだ名される一方、チャラい人が多いから「チャラ商」とも。

「テストの難易度は全学部中真ん中」(商学部生)くらいで、友達や先輩からの情報入手が対策の基本だ。「要領のいい人なら余裕」らしい。「出席を取らない講義が多く、レポートを課す教授も圧倒的に少ない」(商学部生)。大学では珍しいファッション・ビジネスに力を入れており、関連する授業が多く開講されているのも特徴。

 商学部生が「第2の入試」と呼んでいるのが、1年次の終わりにある「ゼミ試」。ゼミには学部生全体の8割しか入れない。専門ゼミと教養ゼミの2つのゼミに所属できるダブル・コアという制度もあるが、「両立できるかどうか、組み合わせをよく考えて選ぶことが大切」(商学部生)だとか。

 全体的に就職は強く、2割以上が金融関係。公認会計士をめざす学生も多く、例年10~20人程度の在学生が合格する。税理士や中小企業診断士などの資格取得の支援も熱心。

 3年次から7つのコース(欄外参照)にゆるやかに分かれる。なお、コースの人数差が激しく、「コース選択を間違えると、3年次からひとりぼっちになってしまう」(商学部生)とのこと。