新刊『海外出張/カタログ・ウェブサイト/展示会で 売れる英語』では、海外に製品やサービスを売り込みにいったとき、海外バイヤーが「この日本人、できる!」と思わずうなるような、商談プロセスごとに必要な英文フレーズだけまとめています。その一部を紹介していく本連載。今回は、現地で本当に自分たちの製品・サービスが売れるのか、現地代理店などから情報を引き出すときの英語です。
海外に製品・サービスを売り込みに行くとき、一番気になるのは「この国で本当に自社製品が売れるだろうか?」ということでしょう。たとえば、販売パートナー(代理店)候補との面談では、いろいろな情報を引き出すことができます。彼らもオフィシャルに商流に入れてもらうために、「我々にはこんな知識がある。だからぜひ我々を使うべきだ」と積極的に教えてくれるからです。ぜひ、さまざまな角度から質問してみましょう。
1. 現地での販売可能性を探る質問
・What is the sales potential of the product or service in this country?
(この国でのこの製品・サービスの販売可能性はどれくらいですか?)
・Why do you think our product has potential in this country?
(なぜあなたは、この国で我々の製品に可能性があると思われるのですか?)
・We’re thinking of a retail price(end user price)around $150. Do you think this is acceptable?
(我々は小売(エンドユーザー)価格として150ドルぐらいを考えているのですが、受け入れられるでしょうか?)
2. 競合に関する質問
・Are there any competing products in this country?
(この国で、競合となる製品はありますか?)
・Do you know roughly how much those competing products sell for?
(その競合製品の価格はだいたいご存知ですか?)
・If there are any complaints about the competing products, what are they?
(その競合製品に対して不満があるとしたらどういった点ですか?)
3. 必要な改良・認証についての質問
・What elements have the most influence on potential customers: price, quality, brand name, service, credit terms, advertising?
(潜在顧客に最も影響を与えるのはどのような要素ですか。価格、品質、ブランド名、サービス、支払い条件、宣伝?)
・What cultural differences will we need to keep in mind?
(我々が心しなければならない文化的差異は何ですか?)
・Do you know of any certification mark we should have in order for us to sell this product?
(この製品を売るために取るべき認証マークはありますか?)
現地で競合(関連)製品を扱っている販売代理店が持っている情報は、その国に販路を持とうとしているメーカー・商社にとっては、最高のヒントになります。
一通りのディスカッションが終わったら、「この後、一緒に食事でもどうですか?」などと誘ってみてもよいでしょう。信頼を得られれば、そっとその国の競合メーカーが抱える問題点を教えてくれたりもします。
先にあげた適切な質問をすると同時に、自分たちが持っている情報や考えも開示して、まずは信頼関係を築きましょう。結果的に、当面は販売代理店を使わないということになっても、インターネットや調査会社からでは得られない情報が得られるはずです。