希望と民進が自爆、結局「自民有利」という構図の情けなさPhoto:日刊現代/アフロ

今回の衆院選は混乱続きだ。特に野党側は、民進党の分裂に加え、小池都知事が代表で話題となった希望の党でさえも迷走し始めたイメージだ。このままでは結局、自民有利の選挙が展開しそうである。(室伏政策研究室代表・政策コンサルタント 室伏謙一)

自民党の若手議員でさえも
「寝耳の水」だった解散

 10月10日に公示される衆院選、解散から選挙まで日数がないばかりか、解散総選挙の方向性が伝えられてからも日がないため、与野党を問わず選挙に向けた準備や体制作りに大わらわだ。当選期数の若い自民党議員たちの中には、解散総選挙の報は「寝耳に水」だった議員も少なくなかった。自民党としては挙党体制を敷いている一方で、人の確保から資金調達、配布物の作成まで、まだまだ混乱は続いているようだ。

 しかし、それ以上に混乱しているのは野党の側。衆院解散を前に急遽発表された希望の党の結党、それだけであれば単に離党組や無所属議員による新たな"小政党"の結党であり、代表が小池都知事ということで注目は集めるものの、そこまで大騒ぎをするような話ではなかった。

 ところが、民進党が、(1)今回の総選挙における民進党の公認内定は取り消す、(2)民進党の立候補予定者は「希望の党」に公認を申請することとし、「希望の党」との交渉および当分の間の党務については代表に一任する、(3)民進党は今回の総選挙に候補者を擁立せず、「希望の党」を全力で支援する、という前代未聞の決定を行ったことから、まさに上を下への大騒ぎになった。

 そもそも民進党はここ数ヵ月で離党者が続出したものの、衆参合わせて100名以上の議員を有する野党第1党であり、支持率は凋落傾向とはいえ、衆院選を戦えないほど低迷しているわけではない。