一方、別途考えられるのは、温度による味覚の影響である。一般的に、日本人が美味しいと感じる味噌汁の温度は、62~70度とされている。

 それに対し、海外の味噌汁の温度は総じて低めなのである。

 塩味は温度が下がると強く感じる傾向があるため、比較的低い温度で提供される海外の味噌汁は、日本人が通常飲んでいるものと比べ、塩味が弱く設定してあると分析することもできる。

 塩味を落として提供するのであれば、その分、出汁を強く利かせる必要があると思うのだが、総じてその調整はきちんとできていない店が多い。

 そのため、中国で日本人が素直に「美味しい」と思える味噌汁に出合うことは非常に困難なのだ。

味噌汁にレンゲ
中国人にとって普通

中国で食事をすると、レンゲが刺さった味噌汁がしばしば出てくる

 中国で、味噌汁のお椀にレンゲが刺さっている、違和感のある光景に出くわしたことはないだろうか。

 日本人とっては、この味噌汁のビジュアルはかなり抵抗があるが、中国人にとっては、むしろ熱々の味噌汁をレンゲ使わずにすする日本人の習慣の方が、不思議に映っているようだ。

 日本に住んでいたら普段考えたこともないだろうが、なぜ日本人は味噌汁を飲む際、レンゲを使わないのだろうか。熱いものをすする事に慣れているからだろうか。その方が美味しく感じるからだろうか。

 味噌汁の飲み方に関しては、ソバやラーメンのように音を出してすすって飲むことがマナー違反かどうか、日本人の中でも意見が分かれるところではある。