中国で大人気の寿司ネタといえば、サーモン。日本の回転寿司屋に来てもサーモンばかりを注文する中国人は少なくない。一方、日本では、寿司ネタや刺身向けに生食用のサーモンが普及したのは、割と最近のことである。なぜ、中国人はサーモンが大好きなのか。中国に在住し、外食などのサービス業コンサルティングを行っている筆者が分析してみた。(ゼロイチ・フード・ラボCEO 藤岡久士)
日本でも人気のサーモンだが
生食用で普及したのはつい最近
ここ数年、日本でもサーモンの存在感が増している。
刺身や寿司など、生モノが大好きな日本人だが、意外なことにも日本では、近年まで寄生虫(アニサキス)の問題から、サーモンを生食することはなかった。
今でも一部の高級寿司店で、サーモンを取り扱っていない店舗があるのはその名残と言える。サーモンが寿司ネタとして食べられるようになったのは、1980年代半ば以降のことである。ノルウェー、カナダといった海外から、養殖技術によって寄生虫の問題を解決した「アトランティックサーモン」の輸入が開始されてからだ。その後、バブル経済下「カリフォルニアロール」等、逆輸入「日本食」の普及と共に、広く食されるようになっていった。
円高トレンドの中、脂ののりがよく、コストパフォーマンスの高い輸入サーモンは、回転寿司を中心にファンを徐々に増やし、現在ではその人気はマグロと肩を並べるまでに至っている。
中国ではサーモンは大人気
日本料理の普及が要因
世界的に人気のサーモンだが、特に中国での人気は圧倒的だ。