競争心をあおると乗ってくる

ところが、ルールを教えるのが難しいのが男の子です。女の子に接するように母親が手本やルールを示しても、男の子はマネするどころか、わざと反対のことをしたりします。

男の子は型にはめられること、命令されること、手出し口出しされることを嫌うのです。「自分で試してみたい!」「人と違うことをしてみたい!」という欲求が女の子の何倍も強いのです。

このことを知らずに、多くの母親は「ああしなさい」「こうしなさい」と命令で動かそうとしますが、男の子には通用しません。

男の子を動かすには、「母親に褒められたい」心理を利用しましょう。

「ママを助けてくれる?」「ママと一緒に考えてくれる?」「ママを守ってくれる?」と頼ってみてください。子どもを頼ると褒める機会が増えます。「◯◯ちゃんは頼りになるわ。カッコいい!」そんな言葉を母親から言われると「もっとがんばろう!」という気になるのが男子です。

また男の子は女の子よりも「競争心が強い」という特徴があります。この心理も上手に利用すると、子どもの行動をコントロールしやすくなります。

「◯◯しなさい!」ではなく「ママ(パパ)と競争しよう!」と言えば、たいていの男の子は乗ってきます。片づけも、掃除も、勉強も、運動も、子どもの競争心をあおってみましょう。

ガラスのハートを傷つけてはいけない

一方、男の子へのNGワードは、自尊心を傷つける言葉、ケナシ言葉、比較言葉です。人前できつく叱ったり、「グズだね!」「ヘタだね!」とケナシたり、兄弟・姉妹と比較して「何でお姉ちゃんはできるのにあなたはできないの!」などは絶対に言ってはいけません。

男の子はプライドを傷つけられると、本当に言ったとおりにダメになってしまうという「ガラスのハート」を持っています。

「男の子はおだてて育てる」という原則を守れば、母親のために一生懸命がんばってくれる可愛い青年に育ちます。 これは大人も同じなので、夫に対しても同じアプローチで接してみてください。夫婦関係が円滑になりますし、育児に積極的に参加してくれるようになります。

(この原稿は書籍『世界標準の子育て』から一部を抜粋・加筆して掲載しています)