この20年で時代は大きく変わったが、今後20年の変化は、その比ではない。思いもよらない変化が次々と起きるこれからの社会では、「たくましさ」、「地頭のよさ」、「社交性」が常に求められるのだ。「世界標準の子育て」では、4000名のグローバル人材を輩出してきた著者が、世界中の子育ての事例や理論をもとに「未来の子育てのスタンダード」を紹介していく。

子どもの能力を伸ばす最高の習い事とは

子どもの将来を決めるもっとも大事な要素は、「自信の有無」。自信にも2つの種類があり、一つが「根拠のない自信」。もう一つが、「根拠のある自信」です。「根拠のない自信」は親が与えるもの。そして、「根拠のある自信」とは、子どもが自らの努力で手にいれるものです。今回は、「根拠のある自信」を獲得する方法について見ていきましょう。

根拠のある自信は、競争で身につく

「根拠のある自信」を手に入れる方法をより具体的に言うと、スポーツ、音楽コンテスト、発表会に出て人前でダンスや演劇を披露したりと、競争にもまれながら一つのことを継続していくことで得られる自信です。

特に小学生になったら、競争の世界に参加させてあげてください。こう言うと反対される方もいるかもしれませんが、競争を避けてしまうと、子どもが「目標に向かってがんばる」という意欲が育ちません。

私自身は、学問に競争は不要(テストの点数で順位をつけるなど、競争で学力向上を計ることには反対)ですが、しかし、課外活動での競争は子どもの健全な成長にとって絶対に必要なプロセスであると考えています。

競争に参加させる目的は、相手を打ち負かす方法を教えることでも、優劣感覚を叩き込むことでもありません。

子どもを競争に参加させる目的は大きく2つ。1つは、競争を通して自分の「強み」に気づかせるためです。自分の「強み」を知り、「強み」に磨きをかける。それを自覚させるためには競争が必要なのです。2つ目は、困難に立ち向かう力、敗北から立ち上がる力、プレッシャーの中で実力を発揮する力など、「たくましい心」を育てるためです。