現状のままいけば年金制度の改革は必須。豊かな老後を皆が享受できるのか不安が募る
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 年金に関しては日本国民の多くが多かれ少なかれ先行きに疑念を抱いている。9月下旬には年金関連のニュースが日本経済新聞の一面を連日賑わし、いっそう不安をかき立てられた読者もいるだろう。

 その記事の1つが、直近の世界的な株価の急落を受けて、主要企業における企業年金の今年度の上期運用利回りがマイナス5%程度に陥ったことだ。

 実に、リーマンショックの年以来の低水準だという。パッとしない日本株に見切りをつけて海外株や債券にシフトしたら、世界的な株安や円高で撃沈した。

 一方、不安と期待が交錯したのが「来年にも専業主婦の年金制度を見直す」という報道。厚生年金と公務員の共済年金において夫の保険料の半額を専業主婦の妻が負担したとみなし、それぞれに年金を2等分して給付するというものだ。

 彼女たちは「第3号被保険者」と呼ばれ、保険料を支払わなくても公的年金をもらえるようになっている。自営業者の妻や女性会社員は自分で保険料を負担しており、かねてから不公平感が高まっていた。

 もっとも、ファイナンシャルリサーチ代表の深野康彦さんは次のように酷評する。

 「今回の案も、専業主婦優遇という点は変わらない。現役世代の保険料で高齢者の年金を支える現行方式は、少子高齢化で早晩行き詰まる。専業主婦の保険料負担もいずれ避けられないだろう


<お話を聞いたのは>
深野康彦さん
ファイナンシャルリサーチ代表。独立系FP会社勤務を経て、06年にファイナンシャルリサーチを設立。投資の重要性や家計管理をわかりやすく解説している。


(取材・文/大西洋平、イラスト/ソリマチアキラ)


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