経営×ソーシャル
ソーシャルメディア進化論
【最終回】 2011年10月25日
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武田 隆 [クオン株式会社 代表取締役 兼 最高経営責任者]

【最終回】
ソーシャルメディアと希望ある未来

企業と消費者とがつながり合う日

 こうしたつながりの普遍化によって、ハブとなる企業の組織のあり方も徐々に変わっていきます。

 企業といっても、実際には個人の集合体であり、企業に属する個人が企業というハブを通じて、企業やブランドに関心を持つ個人とどうつながっていくかという問題意識が最近とても強くなっています。

 たとえば出版業界を見ても、今まで黒子であった編集者がオンライン上で直接消費者とつながるようになったのはこの流れの中にあります。

 こうした流れを反映して、私たちが、クライアント企業との共同プロジェクトで解決を求められる課題は、限りなく組織コンサルティングに近いものが出てきました。

 つまり、企業と消費者個人のつながりだけではなく、企業内の個人が会社やブランドというハブを通じて、どのように消費者とつながりを持ったらよいのかという考え方です。まだまだ、端緒にすぎませんが、この流れは今後強まっていくと考えています。

 以上のように、日本のあちこちで価値観をハブとしたつながりが急速に広がっているのです。

 私は、こうした日本の先進的なプラクティスは海外でも十分通用するほど、普遍的なものだと考えています。

 この仮説を証明するために、まずは、お隣の中国で私たちの考え方に沿った、企業コミュニティを活用したマーケティングのプロジェクトをスタートさせました。これもまだ始まったばかりではありますが、私たちのメソッドが適用できる範囲は大きいという手応えを得ています。

 また、ヨーロッパへの進出も視野に入れ始めており、成熟した市民社会の一つの例であるオランダでのテストマーケティングを始めています。そう遠くない将来、皆さんに成果を報告できるのではないかと考えています。

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武田 隆(たけだ・たかし) [クオン株式会社 代表取締役 兼 最高経営責任者]

日本大学芸術学部在学中の1996年、前身となるエイベック研究所を創業。クライアント企業各社との数年に及ぶ共同実験を経て、ソーシャルメディアをマーケティングに活用する「消費者コミュニティ」の理論と手法を開発し、複数の特許を取得。その理論の中核には「心あたたまる関係と経済効果の融合」がある。システムの完成に合わせ、2000年同研究所を株式会社化。その後、自らの足で2000社の企業を回る。これまでに森永乳業、ライオン、資生堂ジャパンをはじめ、300社超のマーケティングを支援。ソーシャルメディア構築市場トップシェア(矢野経済研究所調べ)。2015年、ベルリンと大阪に支局を開設。著書『ソーシャルメディア進化論』は松岡正剛の日本最大級の書評サイト「千夜千冊」にも取り上げられ、ロングセラーに。また、CSR活動の一環としてJFN(FM)系列ラジオ番組「企業の遺伝子」のパーソナリティも務める。1974年生まれ。海浜幕張出身。


ソーシャルメディア進化論

花王、ベネッセ、カゴメ、レナウン、ユーキャンはじめ約300社の支援実績を誇るソーシャルメディア・マーケティングの第一人者、エイベック研究所の代表取締役 武田隆氏が、ダイナミックに進化し続けるソーシャルメディアの現在と未来に独自の視点から迫る!

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