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来年1月1日に傘下のジブラルタ生命保険を存続会社とし、AIGエジソン生命保険、エイアイジー・スター生命保険の3社を合併させるプルデンシャル生命保険グループ。しかし、エジソン生命内では労働条件の不利益変更に対する不安が高まっている。
発端は4月に出されたエジソン生命のASP事業部廃止の通達だった。ASP事業部とは保険外交員の給与を2年間保証し、かつ6ヵ月間の研修を行う組織だ。外資系保険外交員の給与は歩合制のケースが多いが、同社は給与保証と長期間の研修を行うことで、ノルマに追われ売り急ぐことをなくし、顧客満足度を上げる狙いがあった。
同事業部のマネジャーは、保険外交員の採用も担っており、人数のノルマが課されている。問題は、事業部廃止で「2年間給与保証、6ヵ月間研修」も廃止になるにもかかわらず、マネジャーの採用ノルマは同じだという点だった。
ノルマ未達は容赦なく10%、最大で50%減給される。給与激減に危機感を覚えた社員が経営陣と交渉し、給与の現状維持とノルマの緩和を勝ち取ったが「今後の生活に不安を覚える者が増えた」(社員)という。マネジャーは合併後の職位が保証されていないなど、不安の種は残ったままだ。
会社は「対象者に事前説明を適切に実施している」というが理解は得られておらず、社内では9月末に第2組合が結成され、10月19日に初の団体交渉が行われた。今後の話し合い次第では労働争議に発展する可能性もあり、新たな火種を抱えての新ジブラルタ生命保険の誕生となりそうだ。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 片田江康男)