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満を持して投入する新型携帯ゲーム機「PS Vita」
ゼロからのスタートで、業界の閉塞感ごと打ち破りたい
――河野弘・ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン プレジデントに聞く

石島照代 [ジャーナリスト]
【第23回】 2011年10月26日
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河野 私は実際にその場にいたわけではありませんが、久夛良木(健、SCE前名誉会長)さんがプレイステーションビジネスで大賀さんにプレゼンしたときの話として聞いている状況と似ていたのは、おもしろかったですね。

石島 確か、久夛良木さんは最初任天堂と一緒にビジネスを始めようとしていたけれど、途中でダメになった。でも、ゲームビジネスを諦められなかった久夛良木さんが、もう一度大賀さんにかけ合ったら、「Just Do it!」と言われたという有名な逸話がありますね。

河野 そうそう、まさにその世界ですね。その後、私はそれぞれの国にソニーの現地法人を設立し、結局5年経って帰任して、今度はSCE黎明期に尽力された伊庭(保、元SCE会長、ソニー副会長)、徳中(暉久、元SCE社長、ソニー副社長)両氏の下で財務系の仕事をした後、安藤さん(国威、当時ソニー社長)のアシスタントをさせていただきました。

 で、しばらくしてアメリカに行けた。「もうこのまま永住かなあ」と思っていたら、昨年突然呼び戻されて、またまた経験ゼロでゲームビジネスをやることになった。

 私自身は、いつも新しい分野の業務を任され、現場に入り込んで結果を出してきました。東欧やアメリカで取り組んだときと同様に、ゲーム業界でも現場を重視して、業界に骨を埋める覚悟で全力を尽くしたいと思っていますよ。

SCEは守りに入ってはいけない
いつまでも「チャレンジャー」であれ

石島 そんな河野さんにとって、現在のゲーム業界はどのように見えますか。

河野 とても面白いし、まだまだ発展の余地がある業界だなって思いますね。確かに、アーケード業界などを踏まえれば歴史は長いと言えますが、家庭用市場はまだ30年ちょっと、プレイステーションビジネスだけを考えれば17年目ですよね。他産業と比較すると、相対的にまだまだ歴史が浅い。

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石島照代
[ジャーナリスト]

1972年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修を経て、東京大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。1999年からゲーム業界ウォッチャーとしての活動を始める。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。「コンテンツの配信元もユーザーも、社会的にサステナブルである方法」を検討するために、ゲーム業界サイドだけでなく、ユーザー育成に関わる、教育と社会的養護(児童福祉)の視点からの取材も行う。Photo by 岡村夏林

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ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

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