旅行会社のエイチ・アイ・エス(H.I.S.)が展開する「変なホテル」はロボットが接客する省力化ホテルとしてハウステンボスや舞浜などに出店してきたが、東京・大阪などの主要都市にも進出するという。勝算はあるのか。H.I.S.でホテル事業を統括する平林朗・H.I.S.ホテルホールディングス社長を直撃した。(「週刊ダイヤモンド」編集部 大坪稚子)
――「変なホテル」は現在、ハウステンボス、舞浜、ラグーナテンボスと3店ありますが、18年度末までに東京、大阪など10店舗を出店し、都市型ホテルにも乗り出します。その狙いはどこにありますか。
12月の西葛西を皮切りに、銀座(新富町)、浜松町、浅草橋、赤坂、羽田と東京で6店、博多、大阪で2店舗、それに京都と18年度までに10店の開業を計画しています。メインターゲットは観光客です。東京などにはビジネスホテルはたくさんありますが、観光客がカップルで、あるいはファミリーで泊まれる3つ星ホテルがない。そこにチャンスがあるとみています。
ビジネスホテルが12平方メートルぐらいの広さのシングルルームがメインなのに対して、変なホテルでは20平方メートル程度のツインルームをメインにしています。ソファーベッドを利用してトリプルルームにすることもでき、客室単価は1室1万4000円ぐらいです。部屋を広くすれば、客室数が減るのですが、H.I.S.は旅行会社ですから、変なホテルを組み込んだ旅行商品を作るなど、集客の方法もある。タイ発東京行きの旅行商品を作り、タイで売ることもできるし、オンライン販売もできます。
出張規定で1泊1万円までという企業は少なくないのですが、都内ではその範囲で探すのはたいへんです。女性の場合、とれなかったからカプセルホテルに泊まるというわけにもいかないでしょう。同性が2人で泊まり、宿泊費を7000円で抑えるという使われ方もあるのではないか。