さまざまなロボットが人間と共存する世界――。そんな未来の訪れを実感させてくれるのが、「株式会社エイチ・アイ・エス(以下、H.I.S.)」の子会社「H.I.S.ホテルホールディングス株式会社(以下、H.H.H.)」が運営を手がける「変なホテル」。変なホテルの登場は、ホテル業界にどのような新風を吹き込むのか?(文/清談社 真島加代)
チェックイン・アウトも恐竜ロボットが対応!
変なホテルに行ってみた
2015年にハウステンボスにオープンした「変なホテル」(長崎県佐世保市)はロボットが接客をするホテルとして人気を博し、昨年末「初めてロボットがスタッフとして働いたホテル」として、ギネス世界記録に認定されている。
このハウステンボスに続いて2017年の3月15日、ディズニーリゾートからほど近い場所に2棟目の「変なホテル舞浜 東京ベイ」(千葉県浦安市)がオープンし、さらなる話題を呼んでいる。百聞は一見にしかずということで、実際に行ってみた。
ロビーには太古を思わせる装飾と、等身大のティラノサウルスの模型や、魚ロボットが泳ぐ巨大水槽が置かれ、ロボットの近未来性と原始的な雰囲気が同居した不思議な空間を構成している。
「『変なホテル舞浜 東京ベイ』は、ディズニーリゾートに近いというロケーションに合わせて、エンターテインメント性を重視しました。フロントロボットは人型のものではなく恐竜ロボットを設置するなど、空間づくりにこだわりましたね」
そう語るのはH.I.S.本社経営企画室の担当者。ディズニーリゾートから訪れた宿泊客も余韻にひたれるように、遊び心のある内装となっているという。
そして、何より目を引くのがフロント業務を担当する恐竜ロボットだ。カウンターに立つと「いらっしゃいませ」と歓迎してくれる。日本語、英語、中国語、韓国語の4ヵ国語に対応しており、日本人客は音声ガイダンスに従う簡単な手続きで、外国人客もセンサーにパスポートをかざせばチェックインが完了する。スムーズにいけば、一度も人間のスタッフを呼ぶことなく部屋までたどり着くことができる。
清掃が行き届いた廊下を抜け、客室に到着。ディズニーリゾート側で4階以上の客室ならば、夜にはパーク内の美しいネオンや、フィナーレの花火も楽しめるという。
客室は右の写真のようにいたって普通…と思いきや、デスクの上に鎮座する“卵”を発見。AI(人工知能)が搭載されたコンシェルジュロボットの「Tapia」だ。