チャート図解を用いて森羅万象を構造オチの笑いに落とし込む「分類王」クリエイションを発表してきた石黒謙吾が、15年にわたり構築してきたのがチャート思考。あらゆるものごとを、目先の対応ではなく、公式を定着させていく基本となる考え方で贈る「頭の漢方薬」的な人生指南である。

 その分類王の盟友、 Dr.イシグロが、ライフハックブームのなか、「スキル依存症」に陥り、仕事やプライベートがうまくいかなくなった人々に警鐘を鳴らす。

 脱「右へならえマシン」、目指せ「問題解決の公式化」。

――さて本日も、「イシグロ総研」に1人のライフハック君(以下、[ラ])が訪れ、Dr.イシグロ(以下、[イ])との面談が始まった……。


初めて会った相手に「ハロー!」
英語しか使えない会社の社員が登場

[イ] こんにちは。ようこそ石黒総研へ。これはまたおしゃれで、とても元気のいい方ですね。どのようなお仕事をされていらっしゃるのですか?

[ラ] ハロー、ドクターイシグロ。マイネームイズ……おっと、エクスキューズミー、すみません。私、大手インターネットサービス会社で、国際的なビジネス提携を推進するセクションにいます。

[イ] これは、いきなり英語が口をついて出るあたり、かなり海外とのやりとりが頻繁な部署とお見受けしましたが……。

[ラ] オー! ノー! わたくしはたまたま海外との折衝を担当するセクションですが、我々のカンパニーは、全社員、社内では日本語は一切禁止。英語の会話だけが許されているんですよ。

[イ] えっ! それは驚きです。そういう会社があると噂には聞いておりましたが、実際にその社員の方とお会いするのは初めてです。ということは、同僚、上司、部下などと一切日本語を話せないのがお困りというご相談でしょうかな?