長期的視野と短期的視点とで取るリスクは異なるので区別して考えよう

 厳しい投資環境の中でも上昇するファンドは必ず存在する。ここでは、リスクが高い時期に重要となる「投信」選びの4つのポイントとを紹介しよう。

■ポイント1 
高リスク新興国株投資か、低リスクの分配金狙いに徹せよ!

 現在のファンド選びにおいて重要なこととは何か? それは、長期的な視野で選ぶことでリスクを取る投資と、今どうなのかという目先の動向にも注意を払わなければいけないリスクを抑えた投資をキチンと区別することだ。

 こう考えると、前者にあたるのが、まさしく新興国株への投資。この先数年はもたもたした動きでも、5年後、10年後を見通せば経済成長の確率が高いと思える市場にリスクを取って投資するなら、今こそ本当のチャンスなのだ。

 そして、後者にあたるのが毎月分配型への投資。相場が悪いときに再投資を選ぶと複利のマイナス効果が発生していしまうので下落不安の大きいときは、分配金をこまめに受け取ることが資産防衛につながることになる。

■ポイント2 
株式と債券への分散でも効果が薄い点に気をつけろ!

 株式と債券が異なる動きをするのであれば、分散投資の意味は非常に大きい。しかし、現状では欧州の国々や米国といった先進国に財務不安が広がっており、今後の展開次第では非常に危機的な状況と言えるだろう。

 こうした状況下では、株式も債券もそろって下落してしまうのも仕方がないところだ。今、注意しなければならないのは、これまでどおり株式と債券に分散しているというファンドを持っていても、分散効果が得られにくいため、効率的な投資とならない可能性が高いという点。

 タイプ別の資金の流出入の動向を見ても、バランス型を売却し、政府の財政との関連が小さいリート型にシフトするなど、多くの個人投資家がこのことに気がついて、すでに行動を起こしていることが見てとれる。