『アルフレッド・アドラー 一瞬で自分が変わる100の言葉』がダイヤモンド社から発売されたことを記念して、20万部突破の第一弾『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』を特別公開します。アドラーの厳しくもあたたかい言葉に、あなたも勇気づけられてください。
子供にとって家族は「世界そのもの」
動物のドキュメンタリー番組で、子馬が生まれるシーンを見たことがある方は多いでしょう。子馬は母馬から生まれてすぐに自分の足で歩き始めます。しかし、人間は違います。人間の子供は他の動物に比べて極めて未成熟な状態で生まれてくるがゆえに、親の助けなしに一人で生きていくことはできないのです。そのため、人間の子供は親から見放されることを極端に恐れます。このような弱い存在が親から見捨てられることは、死の宣告に等しいからです。そうして、子供は親に愛され、認められようと必死に努力をします。
ある子供は、親の言いつけを守り、いい子になることで親に愛されようとするでしょう。別の子供は、優等生になることができず、自分の弱さをアピールするために病弱になり、保護されることで親の関心を引こうとするでしょう。さらに別の子供は、問題行動を起こし、親を困らせることで親を無理矢理自分の方へ振り向かせようとするかもしれません。
これらの子供は、普通に見ると、まったく別々な子供にしか見えませんが、実は彼らの狙いは一つです。親の愛や関心を引くために、それぞれの戦略を実行しているだけにすぎないのです。子供はこれらの戦略を試行錯誤しながらテストします。そして、そのうちで成功したやり方が生き残り、その後大人になってもずっと繰り返して使われます。それがその子供のライフスタイル(=性格)になっていくのです。
オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家。フロイト、ユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した1人。個人心理学(アドラー心理学)を創始し、『7つの習慣』のコヴィー博士、カーネギーらに影響を与えた。「自己啓発」の源流である。
※本連載は日曜日以外の毎日更新します。