『アルフレッド・アドラー 一瞬で自分が変わる100の言葉』が8月30日にダイヤモンド社から発売されたことを記念して、20万部突破の第一弾『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』を特別公開します。アドラーの厳しくもあたたかい言葉に、あなたも勇気づけられてください。
親の考えを受け容れるか反面教師にするかは
「自分の意思」で決めるもの
ライフスタイル(=性格)の成り立ちは、出生順位(生まれた順番)、器官劣等性(からだの弱さ)、家族構成や家族間の人間関係、家族の雰囲気、親からの期待などに大きく影響を受けます。しかし、先に学んだ通り、それらは影響要因でしかありません。
原因によりライフスタイルが自動的に決まるのではなく、本人が「目的論」的にライフスタイルを選び取り、自分の意思で完成させていくのです。これらの影響要因は建物を建てる材料としての木材や釘でしかありません。それらを使って、南国リゾート風のコテージを建てるのか、近代建築のビルを建てるのかは、本人の意思に委ねられているのです。
例えば、こまごまと口うるさく叱ってばかりいる母親に育てられた子供が、必ずしも暗くてネガティブなタイプに育つとは限りません。逆に、母親を反面教師として明るく伸び伸びとした性格になるかもしれません。また、寛大で小さなことにとらわれない大人になることもできるでしょう。こうした幾多の可能性があるにもかかわらず、それでもあえて、暗くてネガティブな性格になったとしたら、それは母親の育て方だけが原因であるとはいえないでしょう。
影響はゼロではありませんが、受け容れたのは自分自身です。 受け容れるか、反発するか、無視するか、は本人が決めたのです。自分で決めたのだから、自分で変えられます。人はいつでもライフスタイルを変えることができるのです。
オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家。フロイト、ユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した1人。個人心理学(アドラー心理学)を創始し、『7つの習慣』のコヴィー博士、カーネギーらに影響を与えた。「自己啓発」の源流である。
※本連載は日曜日以外の毎日更新します。