秦の始皇帝を持ち出すまでもなく、不老不死は人類誕生以来の究極の願い。その見果てぬ夢である「不死」はさておき、「不老」のほうに関しては21世紀を迎えた今、現実のものになりつつあるようです。

 老化とは体を構成している細胞が衰え、その機能が十分に発揮できなくなること。問題はなぜそうなるのかですが、その仕組みが現代医学のメスによって少しずつ明らかになってきたのです。それに伴い、近頃はアンチエイジングの専門外来を設ける医療機関も目立ってきました。

 現在、老化の原因と目されているものには「酸化ストレス」「免疫力低下」などいくつかありますが、「ホルモンの低下」もその一つ。中でも、抗加齢ホルモン(DHEA―S)検査による老化度チェック(横浜・ゆうあいクリニック)が大きな話題を集めています。

 DHEA―Sは体内のホルモンの源で、(1)免疫機能の向上、(2)ストレスへの抵抗性の向上、(3)肌のツヤやハリの向上、(4)性的ときめきや精力の向上、(5)動脈硬化・骨粗鬆症などの抑制、(6)筋肉の増加や体脂肪の減少、などに働くといわれています。

 最近開かれた学会の研究報告でも、このホルモンの濃度が寿命を左右する、すなわち老化の大きな鍵を握っていることが明らかにされたとか。ちなみにDHEA―Sの平均分泌量は、男性は25歳で368mg/dlあったものが45歳で1950mg/dl、65歳では1275mg/dlに。女性の場合は25歳で1840mg/dlだったのが45歳で1165mg/dl、65歳では540mg/dlと、3分の1以下にまで激減してしまいます。

 同クリニックの「アンチエイジングコース」(※)ではDHEA―Sの血中濃度を測定することで、外見だけではつかめない正確な“老化度”を診断。この結果をもとに、より具体的かつ効果的な治療や予防が可能になってくるわけです。さて、あなたの老化度は――?

※PETによるがん検査のほか抗加齢ホルモン検査等が含まれている。