さらに、9月末には伊勢丹松戸店の18年3月閉店、そして10月23日には、食品スーパー・クイーンズ伊勢丹の運営子会社の株式のうち66%を三菱商事系のファンド・丸の内キャピタルに売却すると発表するなど、リストラを加速させている。

来年3月の閉店が決まった伊勢丹松戸店。デパートがまた一つ、消える Photo by Satoru Okada

 松戸店については、同店に公共施設を入居させ賃借料を支払うという松戸市の支援案が、9月に市議会で否決されたことが要因だといわれるが「杉江社長は専務時代から閉店ありきの考え」(三越伊勢丹関係者)。営業フロアを大幅に縮小する案は現に松戸市に伝えられていたし、百貨店事業本部が検討した、市の支援を受けない存続案は、受け入れなかったようだ。

 クイーンズ伊勢丹は、首都圏の高級住宅街を中心に店舗を持ち、実に497億円の売上高がありながら、11億円(いずれも2017年3月期)の営業赤字を解消できなかった。その要因について「赤字を解消できる人材も、外部から人材を引っ張ってくる目利きも社内にいない」(百貨店業界関係者)ことが挙げられる。ファンドによる経営再建後に株式を再取得する考えも示しているが、将来、三越伊勢丹HDにそれだけの体力が残っている保証はない。

 むしろ百貨店業界では、阪急阪神百貨店を擁するエイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)がクイーンズ伊勢丹の取得に動くとの観測がある。H2Oは首都圏での存在感が薄く、クイーンズ伊勢丹を橋頭保に攻勢をかけるとの見方で、実現すれば、むしろ敵を利する結果となる。

 杉江社長は11月、18年3月期中間決算と共に詳細な中期経営計画を発表する予定だ。リストラ策の成果だけでなく、その先の成長についても語られるのだろうか。