プレゼン、会議、打ち合わせに効果抜群! 仕事に効く「図の使い方」。
企業研修、ワークショップの実績多数! ニューズピックスのクリエイティブ統括者であり、どんなものでも「図」にする図解オタクの櫻田氏の新刊、『図で考える。シンプルになる。』が発売! 発売4日で重版も決まり、話題になっている。

WIRED、ハフィントンポストといったメディアからのデザイン依頼に加え、コンサルティングファームや広告代理店で「図解思考」「デザイン×図解」などのテーマで研修をこなす本格派は何を語るのか。その秘伝の秘を、本連載ではあますところなくお伝えします。(構成:中村明博)

グーグルの“儲けのカラクリ”を「1枚の図」にすると?

グーグルのビジネスモデルを
「四角と矢印」で整理!

 世界中で最も使われている検索エンジンのグーグル。どのようなビジネスモデルなのでしょうか? 下記の文章を図で整理してください。

 ユーザーは無料でグーグルの検索サービスが使えます。ただし、検索結果には、広告が表示されます。

 やるべきことは簡単です。登場人物をパーツ化し、交換内容で結ぶだけ。日ごろ使うサービスだけに、その仕組みにも目を向けてみます。

グーグルの“儲けのカラクリ”を「1枚の図」にすると?櫻田潤 (さくらだ・じゅん)ニューズピックス インフォグラフィックエディター。仕事に必要な知識を身につける過程で、「モノゴトを深く理解したい」という欲求を持つようになり、そこから本やテレビ番組の要約を「1枚の図」にまとめる習慣が生まれる。作り上げた図を、自分の個人サイト「ビジュアルシンキング」にアップしたところ、従来の図解にデザインの考え方を反映させた手法が話題になる。

ステップ(1) 登場人物をパーツ化する

 問題文に出てくる登場人物を見つけてパーツ化します。下図を見てください。

 文章からはユーザーとグーグルの存在が見つかります。

 しかし、これですべてではありません。広告を出稿する広告主の存在が抜けているので加える必要があります。広告主とユーザーは直接やりとりをせず、その間にグーグルが入って、交換の仲立ちをしています。そのため、交換の中心はグーグルです。下図を見てください。

 このように整理することができます。次のステップにうつりましょう。

 

ステップ(2) 交換の矢印を書く

 次に、この3者の間に双方向の矢印を書きます。下図を見てください。

グーグルの“儲けのカラクリ”を「1枚の図」にすると?

ステップ(3) 交換内容を書く

 まず、グーグルと広告主の関係を考えましょう。グーグルは広告主に広告枠を提供し、その代わりに広告料を受けとっています。したがって、この2者間の関係は下図のように表現できます。

 次は、グーグルとユーザーです。ユーザーに対して、グーグルは検索サービスを提供しています。しかし、検索サービスは無料です。ユーザーはグーグルにお金を払うわけではありません。

 では、何を対価にしているのかというと、閲覧データをグーグルに渡しています。このデータが広告枠の最適化につながり、広告主がそこに価値を感じてお金を払うため、検索サービスを無料で提供しても、グーグルは困りません。

 したがって、グーグルとユーザー間の関係は下図のように表せます。

 グーグルは、ユーザーの閲覧データをもとに、ユーザーの関心や趣味嗜好をつかみ、最適な広告を割り出します。そうして、質の高い広告枠を広告主に販売しているのです。