メールの処理に追われて仕事が捗らない人も少なくない。みなさんはメールに依存しすぎて、業務の効率が悪くなっていないだろうか?(写真はイメージです)

要約者レビュー

『世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか』
ピョートル・フェリークス・グジバチ
224ページ
SBクリエイティブ
1400円(税別)

 読者のみなさんはグーグルにどのようなイメージをお持ちだろうか。最先端の企業であり、社内には素敵なカフェテリアがあって社員はラフな服装で楽しそうに仕事をしている。そんなイメージを持っている人が多いかもしれない。実は、充実した制度や設備は福利厚生のためだけではなく、社員の脳の活性化やリラクゼーションを促し、仕事の加速度を上げ、素晴らしいパフォーマンスを生み出してもらうための工夫でもある。

 著者のピョートル・フェリークス・グジバチ氏は、グーグルでアジアパシフィック地域の人材開発、グローバルな人材教育戦略に携わった人物である。本書『世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか』には、メールではなくチャットを使う、プレゼン形式での会議はやらないなど、著者がグーグルで働く中で培った「神速仕事術」がふんだんに盛り込まれている。グーグルのミッションは、世界より速く動いて成果を上げるということである。グーグルはそこを起点に、常に現状の10倍の成果を上げられるよう努力し、それを着実に実現している。

 なかなか仕事が終わらない、終わるころには疲れ切ってしまっているなどという問題を抱えている人も多いだろう。本書で紹介されている仕事術や人間関係のつくり方、疲れない働き方を学べば、きっと問題解決の糸口が得られるだろう。そして今までとは違う時間軸で仕事を進め、時代に取り残されることなく高いパフォーマンスを上げられるようになるに違いない。 (山下あすみ)

本書の要点

(1) 世界より速く動くための秘訣は、とにかく無駄なコミュニケーションをやめ、持ち帰って検討する文化を捨て去ることだ。
(2) メールで仕事をするのをやめて、リアルタイムで働くことを意識すべきである。
(3) 新しいアイデアを練るには、論理や分析よりもひらめきが重要となる。仕事の環境を整え、みんなで意見を出し合うことがクリエイティブな発想を生む。
(4) 自分の仕事をどう自動化し、テクノロジーに置き換えられるかを考え、新しい仕事を生み出すことが今後ますます必要となる。