もっとも、現状は程遠い。10月末時点で再稼働した原発は5基にとどまる。「原発20%」の目標達成には、廃炉を決めた15基を除く残り39基全てを再稼働させる必要がある。それぞれ117.5万キロワットと出力が大きい大飯原発1、2号機が廃炉になれば、目標達成は難しくなってしまう。

 そこで、原発の新増設・リプレースという選択肢があらためて浮上しているのだ。

衆院選大勝で風向き変わる

 もとより、新増設・リプレースの方針は電力業界の本意でもある。

 しかし、わずか2カ月前の8月時点では、経済産業省で始まったエネ基の見直し議論で、世耕弘成経済産業相が「計画の骨格を変える時期ではない」と消極的な姿勢を見せていた。当時、支持率が低迷していた安倍政権では、不人気な原発政策にできるだけ触れられたくないという意向が働いていた。

 ところが、衆院選での与党大勝を境に、風向きが大きく変わった。いよいよ、政府が新増設・リプレースに向けて動き始めた。最近では、エネ基の見直しに慎重だった世耕経産相も「有識者の答えを待ちたい」と微妙に言い回しを変えている。

 与党自民党の衆院選の公約では、原発政策については安全最優先の再稼働と記されているだけだ。安倍政権が原発を重要なベースロード電源と位置付けるならば、水面下でこそこそ画策するのではなく、正々堂々と新増設・リプレースの道筋について議論すべきだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 堀内 亮)