一方、三菱地所も海外投資拡大へとかじを切った。今年発表された17~19年度の新たな中計では、前中計の海外投資額2400億円を大きく上回る4000億円を投じる。直近では、18年に総事業費1000億円以上を掛けて豪州初進出となる複合開発事業に着工する。目玉はシドニーで最も高い263メートルの超高層ビルだ。

 このほかに森ビルも今夏、インドネシアでの超高層オフィスビル開発を明らかにするなど、オフィス、商業、住宅を問わず、不動産各社の海外投資が活発化している。

バブル時代の再来?

 背景にあるのは、人口減による国内需要の先細りと現在の地価高騰に伴う国内の開発用地の減少だ。

「かつて来た道」──。一方で、巨額の海外投資を危ぶむ声もある。過去の失敗の象徴は、1989年に三菱地所が買収したロックフェラーグループ。95年に破綻し、三菱地所は96年に1500億円の特別損失を出した。その二の舞いになりかねないのではというわけだ。

 だが、「当時は『金は出せ、だが口は出すな』という舐められた状況だったが、今は異なる」と大手不動産担当者は言う。また、「ばくちという認識はない」と三井不も高値つかみを否定する。三井不にせよ、三菱地所にせよ、強力な現地パートナーを開拓し、開発エリアのオフィス需要も旺盛だからだ。

 確かに、例えばマンハッタンのオフィス賃料は目下、上昇トレンド。だが、世界の経済の中心地だけに景気変動の荒波も受けやすい。果たしてバブル期のリベンジとなるか──。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 宮原啓彰)