知香子さんには筋肉の張りとコリがあり、トリガーポイント(硬いしこりや押すと響くような痛みを生じるポイント)という痛みの発生源が確認できたことから、「筋・筋膜性歯痛」と判明した。トリガーポイントは、なんとも不思議なポイントで、知香子さんの場合はこめかみのあたりにできていた。

 和嶋医師が「ここを押すとどうですか」と指で圧迫しただけで、「ギャア」と知香子さんは悲鳴をあげた。押されたのはこめかみなのに、頬を押さえて、この歯の痛みですと泣きそうだ。

 筋・筋膜性の非歯原因性歯痛であることは、疑いようもなかった。

手術無用のストレッチで
2ヵ月もせずに完治

 非歯原因性歯痛には8つの原因があり、「神経障害性歯痛」のように、思わしい治療成績が得られないものもあるが、「筋・筋膜性歯痛」は別だった。

「ほぼ100%治せます。治療の第一は、痛みの原因をはっきりさせて、患者さんを安心させ精神的緊張を緩めることです。痛むということは、関係する筋肉に負担がかかっている状態であり、なおかつトリガーポイントができている状態なので、ストレッチなどで筋肉を緩めればいいんです。昨今、肩こり等の治療法として『筋膜リリース』というのが流行っていますよね。あれと同じです」