グーグルやアマゾンへの課税で社会保障や教育財源確保を

 安倍首相は、さきの衆院選の公約で、消費増税分を教育無償化などの財源により多く振り分ける使途変更を掲げた。社会保障の配分が高齢世代に偏っていることは、長年、指摘されてきたから、それを見直すこと自体は、大きな意義がある。

 だが一方で、消費増税分を財政再建にあてる額が少なくなった分(1兆7000億円)については、穴を埋めていく必要がある。

 その具体策として提案したいのは、アマゾンやグーグルなど、日本人を相手に日本で経済活動をし、莫大な収益を上げながら、現在の国際課税原則の下で法人税負担がほぼゼロというような状況を見直すことにより、彼らからも税負担を求める工夫をすることだ。

グローバルIT企業にも
応分に負担させ租税回避を封じる

 消費増税の使途変更で、国債減額などが少なくなった分を補う場合、一層の「歳出削減」と所得税を中心とした「増収」が基本になる。

 歳出削減は、ICT(情報通信技術)の成果を医療などに活用し、エビデンスに基づく医療・介護の体系作りを進め、効率的な医療や介護サービスを行う体制作りが鍵になる。

 一方、増収の方は、年金税制を改革して、給与所得と年金のダブル受給者の二重控除を改めることなど地道な努力が必要だ。