所用時間約25分。これは、日本人が冬の平日に入浴する際の平均な時間だという。日本人と言えば、世界のなかでも風呂好き、清潔好きな国民。アンケートでは約9割の人が四季を問わず毎日入浴しているという。では、最近の日本人の入浴には、どのような変化が起きているのだろうか。
11月26日(いい風呂の日)を前に、受託設備機器・建材の総合メーカーLIXILが発表した「日本人の入浴に関する調査2011」から最新入浴事情を紐解いていこう。
アンケートは、2011年8月22日~23日に実施。調査対象は20~59歳の既婚男女1648人(うち、子どものいる人は824人、小学生以下の子どものいる父親は266人)。調査方法はインターネット。
20代に多い「通信機器を持ち込む」派
最も興味深いのは、携帯電話やスマートフォンを風呂場に持ち込む人が一定数いるという調査結果だ。持ち込む人は全体の7.9%と多くないが、20代に限ると14.1%に上る。高齢者に比べて若い人ほど気軽に通信機器と接していると考えられることや、防水機能が付いている機器が増えたことも理由だろう。
とはいえ、さすがにシャワーを浴びながら通信機器に触れることは考えづらい。浴槽につかりながら通信機器を使うことが多いと予想できるが、一方で入浴の際に「半身浴」を楽しむのは40代・50代が多く、20代や30代では少ないという結果になっている。全体で平均25分という入浴時間から考えても、浴槽につかるのは十数分のはず。浴槽につかるのが数分という短時間であっても、通信機器で何かしようという人が多いことがわかる。
それでは実際に何をしているのか。最も多かったのは「メールをする」(47.7%)。社会人になると、ついつい返信を忘れがちな私信メール。1日の終わりにお湯につかりながら返信する、という光景だろうか。2位から4位までには「音楽を聴く」(28.5%)、「ワンセグでテレビを見る」(28.5%)、「ゲームをする」(27.7%)と、リラックスを目的とした回答が並んだ。
5位と6位は「調べ物をする」(24.6%)、「SNS(フェイスブックやmixi)をチェック/書き込む」(20.0%)。ビジネス本などでよく“隙間時間を使ってタスクを片付けよう”と言われるが、浴槽に通信機器を持ち込む人にとっては、浴槽につかる時間は“隙間時間”、SNSへの書き込みは“タスク”なのかもしれない。
また、ごく少数ながら「いざというときに備えて持ち込む」(6.2%)という人もいた。
子どもと入浴する父親が増加
休日は約8割が一緒に入浴
もちろん、前述したように風呂場に通信機器を持ち込む人は少数派。同じアンケートにはこんな調査結果も。
子どもを持つ男性に子どもと一緒に入浴するかを聞いたところ、2008年の52.5%から57.5%に微増(休日は2008年が73.8%、2011年が80.5%)。入浴の難しい0歳児の父親でも、平日は54.2%、休日は78%が一緒に入浴すると答えた。
これからが寒さの本番。ゆっくり温まって明日に備えたい。入浴時間、あなたはどのぐらいかけますか?
(プレスラボ 小川たまか)