――蜷川さんが民族派運動に関わり始めたきっかは

 やはり1970年の三島事件ですね。当時、僕は19歳でした。それまでは政治に興味がない普通の青年でした。でもあの事件が起きて心がズキっとした。天皇や国家、政治とは何か、三島はなぜ死ぬ必要があったのか、考え始めるきっかけになりました。間違いなくあの事件は、自分にとって人生のターニングポイントでした。僕は昭和26年生まれですが、僕らの世代で右翼活動に関わっている大半の人は三島事件に影響を受けていると思います。

匿名でモノを言う人は
右も左も嫌い

――今は若い世代を中心にネット右翼が台頭しています

 全然評価しない。僕は匿名でモノを言う人は右も左も嫌いです。自分の言動に責任を持つのは最低限のマナーだと思うからです。こたつの中でヌクヌクとしてながら過激な言葉を発するのは男のすることじゃない。例えば朝鮮人がどうとか個人の国籍を否定しても意味がない。個人に石を投げるのは卑怯じゃないですか。

 僕は右翼ですけど、実は左翼の友達もいっぱいいる。野村の慰霊祭を毎年開いていますが、元連合赤軍活動家の植垣康博さんも参加してくれている。人と付き合うのに思想なんか関係ない。右翼の中にだって嫌いな人もいっぱいいます(笑)。

――社会全体の右傾化が叫ばれて久しい

 僕は朝日新聞を好きじゃないが、じゃあ全て産経新聞になっていいかというとそれも違う。反対意見がなくなると議論は活性化しない。嫌だけど反対の意見にも耳を傾けることが物事を考えるきっかけになるんです。そうしないとファシズムになってしまう。双方が日本男児であるべきだと思う。