11月14日、3メガバンクグループの2017年9月期(中間)決算が出そろった。そこには金融危機なき“平時”に大リストラの断行を迫られる3社の姿があった。(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木崇久、田上貴大)
「かつての富士銀行と第一勧業銀行、日本興業銀行が合併して誕生したのが、今のみずほ。往時の旧3行の実力を知る人間からすれば、そのみずほがメガバンクの中で万年3位であることは信じられない」
3メガバンクグループの一角、みずほフィナンシャルグループ(FG)の社外取締役は、そうした叱咤激励で社内の幹部たちの奮起を促してきた。そして、みずほFGの取締役会では、二番手の三井住友FGに「いつ追い付き、追い越すのかという議論を重ねてきた」(みずほFG幹部)という。国内最大手の三菱UFJFGでは、「現時点でターゲットにするには背中が遠過ぎるが、三井住友であれば現実的な目標といえる」(同)という考えからだ。
実際に2016年3月期決算の当期純利益において、みずほFGは三井住友FGを逆転。9年ぶりに2位と3位が入れ替わった。ところが、その1年後に17年3月期決算の中身を分析した佐藤康博社長は危機感をあらわにした。表面的な数字は良かったが、「基本的な収益力の低下傾向が分かった」(佐藤社長)からだ。そこで、今年4月に構造改革の検討チームを立ち上げたところ、社内から次々に問題点が上がってきたという。
そして、今年度はそれらが一気に顕在化。みずほFGの取締役会における議論の前提が崩れる事態が発生している。17年6月期(第1四半期)決算において、みずほFGは独り負けの状況となり、17年9月期(中間)決算でもその傾向に歯止めがかからなかった。三井住友FGの背中すらかすむ状況に陥ってしまったのだ。