しまむらPhoto:PIXTA

「しまむら」の勢いが止まらない。2026年2月期決算で5期連続の最高益更新を果たしたのだ。かつては3期連続の減収減益にあえいだ同社が、ここまでのV字回復を遂げられた理由はどこにあるのか?決算書を比例縮尺図で読み解くと、その強さの源泉は徹底した「在庫管理」にあることが見えてくる。(中京大学国際学部・同大学院人文社会科学研究科教授 矢部謙介)

業績不振から復活
最高益を記録したしまむら

 今回は、業績不振からV字回復を遂げたしまむらの決算書を取り上げよう。

 しまむらの2026年2月期決算は、売上高(営業収入を含む、以下同じ)が約7013億8400万円(前期比約5%増)、営業利益が約614億8300万円(同約4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益(以下、当期純利益)が約444億6000万円(同約6%増)となり、5期連続で過去最高を記録した。

 18年2月期から20年2月期にかけて3期連続で減収減益となり、業績不振に陥ったしまむらだが、プライベートブランド(以下、PB)やサプライヤーとの共同開発ブランド(Joint Development Brand、以下JB)、インフルエンサーや人気キャラクターとのコラボ商品のヒットなどが業績を牽引している格好だ。

 しまむらの決算書には、その強みがどのように現れているのだろうか。また、経営課題はないのだろうか?決算書から読み解いていこう。

しまむらの決算書から見える
徹底したローコスト経営

 まずは、決算書を図解した「比例縮尺図」で貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)の全体像を見て仮説を立てていこう(決算書の読み解き方については、「『Switch2』は爆売れなのに、任天堂の利益率が急降下したワケ」を参照)。なお、P/Lは営業利益までを図示している。

図表:しまむらのB/SとP/L(2026年2月期)しまむらのB/SとP/L(2026年2月期)、筆者作成 拡大画像表示

 B/Sの左側(資産サイド)で最大となっているのは、流動資産(約3218億8700万円)だ。小売業では、流動資産に商品在庫や現預金などが計上されている一方、売掛金は少ないと想定される。

 次いで大きいのは、有形固定資産(約1577億400万円)だ。しまむらの保有する店舗の建物や土地が計上されていると推測される。

 B/Sの右側(負債・純資産サイド)の特徴は、流動負債が約568億600万円、固定負債が約93億1500万円と小さい一方で、純資産が約4885億4500万円と大きいことだ。こうした特徴は、無借金経営を行っている企業でよく見られる。自己資本比率(=純資産÷総資本〔総資産〕)は約88%と極めて高い水準にある。