Photo:新華社/アフロ

トランプのアジア訪問
中国は“超国賓待遇”のもてなし

 ドナルド・トランプ米大統領(以下敬称略)の初となるアジア訪問が終了した。日本、韓国に続いて訪問した中国において、同大統領は国事訪問という枠組みのなかで“超国賓待遇”のもてなしを受けた。習近平国家主席が自ら故宮を案内する光景などは、日本でも広範に報道されたものと察する。

 私は前回、前々回コラム等で扱った共産党第19回大会とトランプ訪中の関係に対して“中国共産党の正統性”という視角から注目してきた。党大会の日程が発表された直後に書いたコラム(中国は党大会を目前に控え「米朝戦争」を最も警戒している、2017年9月12日:http://diamond.jp/articles/-/141835)において、次のように展望を記述した。

『今年4月米フロリダ州で開催された米中首脳会談において、習近平はトランプ大統領に対して「年内の国事訪問」を要請している。習近平本人が要請し、公表されたということは、中国共産党のロジックから言えば、これは絶対に成功的に実施されなければならない案件ということになる。失敗は許されないし、トランプが来なくなることも許されない。

 実際に、私自身は、中国共産党指導部にとって、2017年下半期の二大行事は19回党大会とトランプ訪中だと捉えてきた。しかも、この二つの行事はコインの表と裏の関係にある。後者は前者の布石にならなければならないのであって、間違っても重荷になってはならない。

 しかしながら、経済貿易問題や北朝鮮問題などを含め、米中関係をめぐっては依然として不確定要素が少なくない。私自身は、共産党指導部の対米関係への懸念度と警戒心が党大会のスケジュール設定にかなり直接的に反映されると見てきた。