人は、書いていくうちに、何かを思いつくもの
今はこの落書きのできない人が多いのです。
初めから清書をしようとするからです。
プロの画家は、まっ白なキャンバスにいきなり描き始めます。
俳句で、いきなり頭の5文字を詠むのと同じです。
中谷塾でも、即、何か書き始められる人と、「思いつかない。なんだっけ」といつまでも腕を組んでいる人がいます。
いろいろな場において、一歩を踏み出せる人と踏み出せない人に分かれてしまうのです。
腕を組むと、体がロックされて、一歩目が出せなくなります。
人は、書いていくうちに、何かを思いつくものなのです。
私は、手書きで本の原稿を書く時代にギリギリ間に合いました。
ですから、今でも手で書く習慣があります。
「中谷さんは、書くのはパソコンだけですか」という質問をよく受けます。
この質問自体おかしいのです。
たとえば、本のゲラの直しの作業は膨大です。
パソコンでは限界があります。
そこで活躍するのは、やっぱり赤ペンです。
赤ペンでゲラを直すという無限に地味な作業を楽しめない人には、ものを書く仕事はできません。
プレゼンがパワーポイントになり、どれだけハイテク化しても、手書きには手書きの強さがあるのです。