そのためにも大事なことがある、という。
「聞けることです。言っていることがわかるようになれば、相手にはそれが伝わる。わかろうとしているんだな、ということも伝わる。それだけで、相手の意識は変わるんです。そうなれば、自分から伝えたいという気持ちも生まれてきます。言っていることが伝わっている、聞いてくれている、と思えば、ますます伝えようという意欲も湧く。しゃべるという意味でも、リスニングは極めて重要なんです」
相手のことをわかろうとする姿勢。自分が伝えたいことを伝えようとする意欲。これがチームに連帯感を生む。顧客との間には信頼関係を生む。
「どんなに英語ができたとしても、ウィルとコンテンツという中身が伴っていなければ、次につながっていきません」
多国籍化の意外な事実
海外でも飲みニケーションは通用する?!
織畠氏はGE時代から、チームがどんどん多国籍化していったという。こうなれば、英語が共通語になる。このとき、マネジメントで意識していたことは、意外とも思えることだった。
「文化も違うし、人の気質も違う。私が意識していたのは、いかに多くの時間をメンバーと過ごせるか、でした。夜に食事に行ったりしてリレーションを深める。海外に行っても、飲みニケーションは重要なんですよ。そうすることで、互いの理解は深まる」
さらに、英語に関しては、むしろ英語力だけで判断をしないよう、気をつけていたという。
「オープンなコミュニケーションは強く意識していましたね。日本人をはじめ、英語が不得意な人というのは、多いんですよ。ですから、英語力だけで人物を判断しないようにする。英語が得意じゃない人でも、オープンに発言できるように、コミュニケーションできるよう、雰囲気づくり、環境づくりをしていく。実際、営業やマーケティングでは、市場の洞察力やお客さまに訴える力は、必ずしも英語力とは関係がないですからね」