日本人にしかできないコンテンツを放て
人と違うことの価値を理解する
そして上司でも誰でも、反論をちゃんと言える雰囲気を作っていた。
「自分の意見があるのであれば、反論するくらいのほうがいいですから。一番良くないのは、言葉の問題も含めて、押し黙って閉じこもってしまうことです。それなら衝突のほうが断然いい。衝突することで新たな意見も出てくるし、相互理解も深まるわけですから」
そして英語をめぐる誤解としてはもうひとつ、グローバルで使う言語を操れるようになるからこそ、日本を知っておく必要があるということだ。言語が共通になれば、コンテンツでの勝負になるからである。
「日本人が日本のことを理解しないで英語をしゃべっていたら、アメリカ人が英語でしゃべっているのに、勝てるわけがないんですよ。日本のこと、日本の市場、日本のビジネスを知っておく。それこそ、外国人にとっては、ブロークンであろうが、何であろうが、価値があることなんです」
日本人にしか発せられないコンテンツこそが、グローバルでは求められている。逆にいえば、日本人であることをより意識する必要があるということだ。
「人と違うということの価値を、日本人はもっと理解する時期に来ているのかもしれません。日本人は日本人であることを誇りにすべきだし、それを誇りにできるコミュニケーションができるように努力すべき。そうなれば、自信が持てるんです」
ブロークンだって、堂々と戦える。コンテンツと自信があれば、だ。もっと日本人は自信を持っていい、と。グローバルで厳しい競争を繰り広げてきた外資系トップたちがそう語っている。
次回は、マネジメントについて、さらに踏み込んで、外資系トップの言葉をご紹介していきたい。
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